●Vol.67:女神様に感謝
今日ボーっとテレビを見ていたら、先ごろ結婚を発表した渡辺謙・南果歩夫妻の出会いとなった「異端の夏」という2時間ドラマが流れていた。
過去にも一度再放送で見たような・・・。おそらく、2人の結婚に便乗して、このタイミングの再放送なのだろう。
渡辺謙さんと言えば、来年公開の「明日の記憶」では、この作品の映画化（原作は荻原浩氏の著作）の起案と主演、そして製作トップのエグゼクティブプロデューサーだ。
この作品では、憲さんが実写映画としては2002年の「竜馬の妻とその夫と愛人」以来となる映画出演を果たしている。
憲さんの役は、若年性アルツハイマーに侵された主人公が通う「木崎陶芸工房」の講師・木崎（*1）。自身のギャラリーも持って、アート方面の活動も積極的な憲さんは、演技だけでなく、持ち前の芸術センスも活かせそうな、それこそ適任なのではないかと思う。
最初、この作品への出演情報が入ったとき、この作品のメガホンをとる堤幸彦氏との「コラー！！とんねるず」（*2）からの長年の付き合いからそうなったものだと思っていた。
しかし、そうではなかった。
憲さんをキャスティングしたのは、謙さん（感謝と親しみを込めてこう呼びたい）だった。
それも「原作から感じた、最初のイメージキャスト」(*3）で、「人間の持っているささやかな罪をさらりとチャーミングに演じられる方は木梨さんしかいない」（*4）と謙さんは仰っている。
原作で言えば全327ページ中245ページでその存在は消える、出番もこれまで出演した映画（*5）の中では少ない方だろう。
だが、この出演オファーには、とても大事な意味があると私は考える。
過去にも一度再放送で見たような・・・。おそらく、2人の結婚に便乗して、このタイミングの再放送なのだろう。
渡辺謙さんと言えば、来年公開の「明日の記憶」では、この作品の映画化（原作は荻原浩氏の著作）の起案と主演、そして製作トップのエグゼクティブプロデューサーだ。
この作品では、憲さんが実写映画としては2002年の「竜馬の妻とその夫と愛人」以来となる映画出演を果たしている。
憲さんの役は、若年性アルツハイマーに侵された主人公が通う「木崎陶芸工房」の講師・木崎（*1）。自身のギャラリーも持って、アート方面の活動も積極的な憲さんは、演技だけでなく、持ち前の芸術センスも活かせそうな、それこそ適任なのではないかと思う。
最初、この作品への出演情報が入ったとき、この作品のメガホンをとる堤幸彦氏との「コラー！！とんねるず」（*2）からの長年の付き合いからそうなったものだと思っていた。
しかし、そうではなかった。
憲さんをキャスティングしたのは、謙さん（感謝と親しみを込めてこう呼びたい）だった。
それも「原作から感じた、最初のイメージキャスト」(*3）で、「人間の持っているささやかな罪をさらりとチャーミングに演じられる方は木梨さんしかいない」（*4）と謙さんは仰っている。
原作で言えば全327ページ中245ページでその存在は消える、出番もこれまで出演した映画（*5）の中では少ない方だろう。
だが、この出演オファーには、とても大事な意味があると私は考える。
同じ演者の立場にある人から、その演技（というかキャラクターか？）を評価されるということ自体、価値がある。また、その評価のされ方が、オファーという形となれば、製作トップとしての責任上、クオリティの高い作品を作る為には、適当なキャスティングを許すことはないだろう、その評価がお世辞でも何でもない、ということを証明しているのだ。
※ここから若干ネタバレっぽいです。原作をお読みでない人は、下記の数行を読み飛ばして下さいm(__)m※
憲さんが演じる木崎という男は、一言で言えば「愚かな人」だ。才能がありながらまだ目は出ない。そんな状態で、弱者の弱点たるところに便乗する、木崎もまた弱者。今まで憲さんが演じてきた「情けないんだけど、憎めない男」的な主人公達とは違ったタイプの人間だ。おまけに、あまり経験のない「助演」という立場。
憲さんにとって、初めての体験と言っても過言ではない。また一つ、憲さんの幅を拡げたと言っていいと思う。
謙さんが、この原作に出会ったのは「SAYURI」の撮影中だったとのこと。もしかすると、「ラストサムライ」でハリウッド進出していなかったら、この本を手にすることはなかったかもしれない。運命というのは、ほんの数ミリの時間の違いで変わってしまうこともあるのだ。
そんなことを考えたら、「謙さんがハリウッドに行ってなかったら、こんな風に来年の楽しみを抱くことなく、年をまたぐことになっていたかも？」などと思ってしまった。
・・・となれば、チャレンジするかどうか迷っていた謙さんの背中を押した（*6）果歩さんの功績は大だ。謙さんのその後の成功は誰もが知るところだが、こうやって、幸せのおこぼれを陰ながら頂戴した人間がいるのだから。
*1：原作によれば「40代手前の青年の面影が残る新進の陶芸家」。現在43歳の憲さんより若干若い。
*2：1985年〜1989年まで、日曜の夕方、日本テレビで放送されていた関東ローカルのコント番組。「博士と助手」の発祥はこの番組。このとき、堤氏は「堤ユキヒコ」という名前で演出していた。個人的には、JR東海のシンデレラエキスプレスのCM（深津絵里Ver）のパロディが忘れられない。
*3：スポーツニッポン2005年12月15日付け記事より。
*4：サンケイスポーツ2005年12月15日付け記事より。
*5：特別出演・友情出演レベルの作品を除く。[2006年2月21日追記]これも「特別出演」だった・・・。でも、これまでの作品とは明らかに違う意味での「特別」だと思う。
*6：2005年12月18日付けスポーツ新聞各紙の渡辺謙・南果歩夫妻の結婚会見模様より。
※ここから若干ネタバレっぽいです。原作をお読みでない人は、下記の数行を読み飛ばして下さいm(__)m※
憲さんが演じる木崎という男は、一言で言えば「愚かな人」だ。才能がありながらまだ目は出ない。そんな状態で、弱者の弱点たるところに便乗する、木崎もまた弱者。今まで憲さんが演じてきた「情けないんだけど、憎めない男」的な主人公達とは違ったタイプの人間だ。おまけに、あまり経験のない「助演」という立場。
憲さんにとって、初めての体験と言っても過言ではない。また一つ、憲さんの幅を拡げたと言っていいと思う。
謙さんが、この原作に出会ったのは「SAYURI」の撮影中だったとのこと。もしかすると、「ラストサムライ」でハリウッド進出していなかったら、この本を手にすることはなかったかもしれない。運命というのは、ほんの数ミリの時間の違いで変わってしまうこともあるのだ。
そんなことを考えたら、「謙さんがハリウッドに行ってなかったら、こんな風に来年の楽しみを抱くことなく、年をまたぐことになっていたかも？」などと思ってしまった。
・・・となれば、チャレンジするかどうか迷っていた謙さんの背中を押した（*6）果歩さんの功績は大だ。謙さんのその後の成功は誰もが知るところだが、こうやって、幸せのおこぼれを陰ながら頂戴した人間がいるのだから。
*1：原作によれば「40代手前の青年の面影が残る新進の陶芸家」。現在43歳の憲さんより若干若い。
*2：1985年〜1989年まで、日曜の夕方、日本テレビで放送されていた関東ローカルのコント番組。「博士と助手」の発祥はこの番組。このとき、堤氏は「堤ユキヒコ」という名前で演出していた。個人的には、JR東海のシンデレラエキスプレスのCM（深津絵里Ver）のパロディが忘れられない。
*3：スポーツニッポン2005年12月15日付け記事より。
*4：サンケイスポーツ2005年12月15日付け記事より。
*5：特別出演・友情出演レベルの作品を除く。[2006年2月21日追記]これも「特別出演」だった・・・。でも、これまでの作品とは明らかに違う意味での「特別」だと思う。
*6：2005年12月18日付けスポーツ新聞各紙の渡辺謙・南果歩夫妻の結婚会見模様より。
